
【会津・漆の芸術祭】
アートセンターにおいて会津の歴史において由緒ある『出ヶ原和紙』の製造工程を学びました!
出ヶ原和紙は、西会津町出ヶ原地区を中心に作られ、江戸時代には会津藩の公文書用紙に使われていました。
昭和30年代には、一度生産が途絶えてしまったものの、美術家・和紙職人の滝澤徹也さん(現:出ヶ原和紙工房代表)と西会津町の有志の方々が復活させました。
出ヶ原和紙づくりには、クワ科の落葉低木である「楮(こうぞ)」の皮を使用します。
楮の樹皮は繊維が太く丈夫なため、耐久性のある和紙づくりに適しているそうです。
今回は、和紙づくりの数ある工程の中から、比較的簡単に作業できる「蒸し剥ぎ」の工程を、滝澤さんに実演いただくとともに、アートセンターにお越しいただいた皆さんにも体験いただきました。

開催情報
日時:令和7年10月12日(日)10:00~12:00
会場:野口英世青春広場(中町1-23)
※令和7年度福島県森林環境交付金(福島県森林環境税)活用事業
体験開始の数時間前から蒸しておいた楮を触れるようになるまで冷まし、端の部分から皮を剥ぎ取ります。
作業に慣れていない方でも、滑らかにスーッと剥ぐことができ、爽快感のある作業でした。
最終的には、今回お持ちいただいた約200本の楮の皮を全て剥がすことができました。



滝澤さんたちは、楮の刈り取りから、蒸し剥ぎ、すべ取り、煮熟、叩解、紙漉き、板干しなどの多くの工程を、伝統的な方法かつ全て手作業で行っています。
①山に自生する楮と自然由来のネリ(粘液)だけでつくる。
②西会津町の雪深い気候を生かし、雪上で天日干しや乾燥をさせる。
③和紙づくりに不可欠な水資源は、飯豊山からの伏流水を使用するなど地元の地形を活用する。
①蒸し剥ぎ
楮を釜で約2時間蒸し、熱いうちに木の芯から皮を剥ぎ取ります。
②すべ取り
楮の皮の表皮(黒い部分)と白皮を剥がし、白皮を雪の上で日に当て漂白します。
③煮熱
乾燥した白皮を水で戻し、草木灰などとともに約2時間煮ます。
④叩解
繊維が解けてきた白皮を棒で叩き、さらに柔らかくしていきます。
⑤紙漉き
十分に叩いた白皮とネリを入れ、竹棒でかき混ぜたあと、簀桁(すけた)を使って紙を漉きます。
⑥板干し
漉き重ねた紙を圧搾し水分を減らした後、刷毛を使って一枚ずつ板に貼ります。
天日干しをして乾いたら和紙の完成です。



場 所:野口英世青春広場 Dr.野口館(住 所:会津若松市中町1-23)
問い合せ:あいづまちなかアートプロジェクト実行委員会事務局(会津若松市文化スポーツ課)
TEL.0242-39-1305

